2008年の大岡山開業から現在は都内7院・横浜1院を展開し、今年5月に23周年を迎える銀座よしえクリニック。院長の廣瀬嘉恵先生は、まだ「白目で見られる」時代だった美容皮膚科の黎明期から、日本のアンチエイジング医療の歩みとともにキャリアを積んできた先駆者だ。「流行りに飛びつかず、堅実に」という信念を貫きながら、再生医療や自然な美しさの追求まで、その哲学を伺った。
大岡山から銀座へ——地域密着で生まれたクリニックの23年
――まずはクリニックのご紹介をお願いできますでしょうか。
よろしくお願いします。うちのクリニックは、主に都内中心に7院、あとは一番遠くて横浜の駅前で、計8院を運営しています。美容外科ではなく、メスを使わないものを中心としたアンチエイジングの治療を行っています。来月の5月で23周年を迎えますので、美容皮膚科の中では歴史は古い方になるかなと思います。
――最初にクリニックを開業したのは大岡山だったんですね。
はい、一番最初2008年に大岡山でクリニックを開業しました。もともと、住んでいたご縁もあって、地域密着のスタンスでスタートしたんです。
当初は保険診療を中心にして、大学で少しやっていた美容皮膚科も取り入れるような感じでしたが、いざオープンしてみたら、美容皮膚科のニーズが高くて、どんどん比率が高くなっていきました。多くの患者様にきてもらって、開院してから1年未満で、2院目を不動前にもオープンしたんです。
――その後、都心へも展開されていったのですね。
2院目を出した後も多くの患者様にきてもらって、「もうちょっと都心の方にも出来ないか」というお話をいただきました。「どうせ都心に出すなら、銀座がいいのでは」となり、2012年に銀座に3院目を出しました。実は当初、銀座はブランドの看板だけで、実際の経営は他の2院でカバーしようと想定していたんです。しかし予想とは逆で、銀座に多くの患者様が来てくださるようになりました。
日本の美容皮膚科黎明期をともに歩んだ先駆者として
――廣瀬先生がクリニックをオープンした当時は、まだ美容皮膚科というものは一般的ではなかったのでしょうか?
ほとんどなかったですね。美容皮膚科が日本に一番最初に入ってきた大学は、私がいた東邦大学の大橋病院だったんです。当時は学会が設立されたばかりで、私のいた大学の助教授が美容皮膚科学会の事務局長をやっていたり、恩師の本田先生が会長を務めておられました。その先生方が近くにいたのも、私が美容に入っていたきっかけになりました。でも当初は、あまり主流という感じではなくて「白目」で見られるような状態でした。
――最初はどのような治療から始まったのですか?
一番最初は大学で、欧米で何をやっているかなど、文献を読んで、調べ、ピーリング剤を自分たちで作っていました。なので、日本の美容皮膚科の歴史とともに歩んできていると言えますね。私が開業した当時、美容外科はありましたが、美容皮膚科はほとんどなく、「手術は嫌だけどアンチエイジングならやってみたい」というニーズが高かったですね。
――先生はもともと中国のご出身で、中国の医科大学を卒業後に日本へ来られたのですよね。
はい。向こうの大学を卒業して、現地で1年くらい働いてから、日本に留学しました。日本への留学は本当にご縁で、中国で国際学会があり、日本からきた大学教授の先生のエスコートをしたのがきっかけでした。

価格競争ではなく「適正価格で確かなサービス」——クリニックの譲れない信念
――最近は、美容クリニックもかなり増えましたね。
よく「競合が集中している場所で大丈夫ですか?」と聞かれますが、私はそれぞれ特徴があり、患者様がそれぞれのクリニックの特徴を理解して「これが自分に合っている」と思って、選んでくだされば、それでいいのかなと。あまり競争意識はないですね。流行りに飛びつくのではなく、「堅実」なのがうちのクリニックの特徴です。
――クリニックのこだわりや、こだわりのポイントを教えてください。
金額で勝負することはあまりしていません。提供しているサービスのクオリティが大事だと思っておりますので、職員の教育も大事にしています。何事にも適正な価格があると思っています。質の高いサービス(技術、知識、チームワーク)を提供するには、それに見合うものがどうしても必要だからです。だからこそ、自分たちのできる精一杯の、より良いサービスを提供する。これが大事にしている信念です。
――先生ご自身もカウンセリングをされるとお聞きしました。
はい、基本的にカウンセリングをします。患者様と接している時間も多いです。患者様の思いをよく聞いて、それに応えられるものを提供しないといけないと思っています。患者様の「こうなりたい」に対して、いかに実現をするか?どうやって近づけるか?をしっかり説明して、納得いただけるようお話ししています。
「自然に綺麗になっている」を追求する技術と、再生医療へのこだわり
――先生の得意な治療やこだわりは何でしょうか?
「自然に綺麗になっている」という、ナチュラル感のあるデザインが私自身のこだわりです。メスを使わずに、患者様ご本人のベストを出していくことを心がけています。
――再生医療にも力を入れられていると伺いました。
はい、再生医療はいかに自分の力を引き出していくかという、今の流行りに合っており、日本でも注目が高まっており、ニーズも増えています。
うちには細胞培養センター(ラボ)があり、細胞の品質管理にこだわっています。例えば「CPC-PRP®」という治療は、院内の遠心分離機でやるものではなく、血液をお預かりしてラボで作ってから戻すという独自の特許を持っている手法です。手間はかかりますが、継続して通ってくださる患者様も多いですね。

何事もまず自分で試す習慣と、美容も「細く長く続ける」こと
――YouTubeなどを拝見すると、先生ご自身が色々と施術を試されていますね。
私は、様々な施術をまず自分が先に試すようにしています。体感や効果、安全性はどうなのかを自分で確認し、これは喜ばれるとか、安全性が高いと確認してから、初めて患者様にご案内しています。アンチエイジングですので、自分も年齢を重ねてきていろんなものが必要になってきましたし。笑
――プライベートのオフの時間はどのように過ごされていますか?
最近は忙しくて、外来以外の時間は会議でほぼ埋まっちゃっててオフがすごく少ないんです。体を動かすのは嫌いじゃなくて、長年ずっと続けているのはパーソナルジムですね。30代のころにゴルフをやっていましたが、美容をやるのに日焼けでシミができたら説得力がないと思って辞めました。最近は生涯できるスポーツということで、1年ほど前から再開したんですが、やっぱり日焼けしますし、全然上手くならないので、そろそろやめようかなと迷っています。笑
――代わりのスポーツは何か探されているのですか?
日焼けしない室内のものがいいかなと思って探しています。激しい音楽のリズムに乗って漕ぐエアロバイクや、和太鼓なんかを最近は勧められて、今度見学に行ってみようかと思っています。
何事も1回で終わってしまうより、生活のリズムに乗れて、細く長くでも継続できるものが良いと思っています。実は美容も同じで、細く長くやることが大事かなと思います。
――最後に、これからの美容皮膚科に対する想いや、読者へのアドバイスをお願いします。
今は、寿命が延びていて、昔の「40歳を過ぎたらおじさん・おばさん」という感覚とは違い、綺麗な期間を長く持つという流れに社会全体がなってきているので、美容クリニックもたくさん出てきたのだと思います。
それぞれのクリニックごとに特徴を持っていて良いと思います。その中で、うちのクリニックは、最低でも1時間半から2時間かけて、安全性に配慮した丁寧なサービスを受けることで至福の時間を過ごしていただきたいと思っています。
美容皮膚科のテーマはアンチエイジングです。当然、加齢とともにお肌は下り坂になりますので、1回でどうにかしようとするのではなく、生活の中の一部のような感覚で取り入れていただくと、良いと思います。
※本記事に掲載されている施術(CPC-PRP®・ピーリング・アンチエイジング治療など)はすべて自由診療であり、公的医療保険の適用外です。施術の効果・経過・持続期間には個人差があります。主なリスク・副作用として、赤み・腫れ・内出血・感染などの可能性があります。施術を検討される方は、医師の診察・カウンセリングを受けたうえでご判断ください。
※本記事の内容はドクター個人の見解・経験に基づくものであり、効果を保証するものではありません。
