表参道の裏道、おしゃれなカフェが並ぶ通りにあるGRACY TOKYO CLINIC。美容外科と美容皮膚科の両方を手がける大西先生は、海外留学やアメリカでの生活経験を活かし、グローバルな視点で美容医療に取り組んでいる。カウンセリングは全て医師自らが行う「本物主義」を貫き、世代・性別・国籍を問わず幅広い患者から支持を集める大西先生の素顔に迫った。
国籍や性別を超えて愛されるクリニック
――早速ですが、まずはクリニックのご紹介からお願いします。
表参道の裏道にある、おしゃれなカフェが並ぶ通りにクリニックがあります。年齢層は20代から60代までと幅広く、どの世代が多いか答えられないくらい各世代の方がいらっしゃいますね。
また、男性の患者様も全体の3〜4割を占めており、一般的な認識よりもかなり多いと思います。特にインバウンド対策はしていないのですが、外国人の方も来られます。世代、男女、国籍を問わず、本当に幅広い層の方に来ていただいています。
――具体的にはどのような施術が人気ですか?男女で違いはあるのでしょうか?
外科だと切開リフト、特にフルフェイスとミニリフトが多いですね。皮膚科ではポテンツァが一番人気です。あとは肌育注射ですね。この3つが一番多いと思います。
男女で施術内容に特に差はなく、男性の方もお肌の治療から手術まで、さまざまなバリエーションの治療を受けられています。
――こちらのクリニックは開業されてどれくらいになりますか?また、どのような経緯だったのでしょうか。
2024年の10月末にオープンしたので、現在1年半くらいですね。私はもともと大手クリニックにずっと勤務していて、その後、HAAB BEAUTY CLINICで院長をやっていました。開業のきっかけは、最初に入った大手クリニック時代の先輩から「東京で一緒にやらないか」と誘われたことです。
グローバルな視点と、ネイティブな英語力がもたらす強み
――海外の学会にも頻繁に行かれているそうですね。
はい、なるべく海外の大きい学会には行くようにしています。
中学や大学時代に留学をしていて、その後も主人の仕事の都合でアメリカに9年間住んでいたこともあるんです。なので、英語はネイティブ並みに話せます。
英語が得意なので、海外の業者さんと直接コネクションを持つことも多くて、最近流行っている「ジャルプロ」のイタリア人社長とも友達なんですよ。
――英語が得意とのことですが、それが海外の患者様が多いことにも繋がっているのでしょうか?
特に広告を出しているわけではないのですが、私がGoogleの英語モードでも情報を記載していて、それを見た方やご紹介でいらっしゃるのだと思います。英語で発信しているクリニックが少ないからかもしれませんね。
――世界の美容医療のトレンドと比べて、日本のレベルはどうなのでしょうか?
比較的、最新を行っていると思います。世界的には韓国が最新トレンドですが、ヨーロッパのトレンドとは少し違うんです。だから私は韓国のトレンドをベースに追いながらも、ヨーロッパの学会にも足を運んでトレンドをミックスし、足りない部分を補うようにしています。
ちなみにアメリカはかなり分業化されているので、エステティシャンが注射できたりするなどメディカルエステ的なところが多く、医療というより少し我が道をいっている感じがします。
日本は、医師が注射をしてデバイスはナースが担当するなど、韓国とアメリカの間くらいの位置づけかなと思います。

「人を楽しませたい」から始まった医師への道と美容医療
――そもそも、大西先生が医師を志したきっかけは何だったのでしょうか?
私はもともと、人を楽しませるエンターテイメント性の高いことが大好きなんです。医師には「人を助ける」というイメージがあって、「助ける=喜ばれる」のは理想的だと思って目指しました。
――最初は保険診療だったそうですが、美容医療へ転科された理由は?
保険診療だと、どんなに努力しても「死」が目の前にあるんです。
治って良くなればすごくラッキー、現状維持でもラッキーという世界で、ネガティブな感じがして私には向いていないなと思いました。一方で美容医療は、患者様をよりよく変化させることを目指せる分野であり、前向きな気持ちで取り組んでいただけることが多いんです。そのポジティブな要素がある方が自分に向いていると思い、美容医療へ進むことを決意しました。
――美容外科と美容皮膚科、大西先生の得意分野はどちらですか?
元々は美容外科で入ったのですが、3年目くらいに皮膚科が流行り始め、クリニックの上層部の方針で皮膚科へ一時的に転科し、産休・育休中も皮膚科ばかりやっていました。でもフルタイム復帰時に両方やるようになりました。本音を言うと、外科には外科の、皮膚科には皮膚科の良さがあって、どちらも好きで選べないんです。
私が美容医療に入った十数年前は、今のように分業されておらず、好き嫌いせず全部やらされる「マルチプレイヤーを育てる」時代でした。全部やらせてもらったおかげで、結果的に両方できるようになり、今でも両方好きですね。
本物主義のカウンセリングとクリニック体験
――最近は美容クリニックが急増していますが、そのことについて、どう感じていらっしゃいますか?
リーズナブルなクリニックの増加で、患者様が身近に美容医療を受けやすいという良い面はあります。ただ、患者様にとっては選択肢が広がった一方で、ご自身に合ったクリニックを見つけることが大切になってきていると感じます。担当医師の経歴や実績、アフターケアの体制などを確認した上で、クリニック選びは慎重に見極めた方が良いと思います。
――だからこそ、大西先生はカウンセリングを大切にされているのですね。
はい、私自身が一番こだわっているのは、最初のカウンセリングです。うちは美容カウンセラーを置いていません。施術内容の説明や相談を受けるのは全て私が責任を持って行っています。やはり医師以外の人が何の施術をやるか決めてしまうのはおかしいと思うんです。本来の美容医療は、医師がちゃんと説明責任も施術責任も、その後のアフターケアも含めて持つべきですから。どんなに時間がなくても、相手が何をやりたいのか意見のすり合わせをしないと施術はできないので、時間をかけてしっかり行うようにしています。
――サイトで「カウンセリング」を有料にしているのには、理由があるのでしょうか?
一番人気なのが、この皮膚科カウンセリングなんです。以前、他の業者さんから「無料にしてほしい」と言われたこともありましたが、断りました。私は本物主義でちゃんと診るので、カウンセリングを無料にして適当なことはしたくありません。良心的なリーズナブルな価格設定で、しっかりとカウンセリングをするのが医療従事者として当たり前だと思っていますし、そういったことに共感いただいた方が、うちのクリニックを選んでくださっています。
――ナースの方々の技術についてもこだわりがありますか?
ナースのクオリティにもかなりこだわっていて、未経験者は採用せず経験者のみを採用しています。その上で、私自身がしっかりとトレーニングとチェックを行い、全員がある一定以上のレベルになるよう、クオリティコントロールをしています。また、ホスピタリティーにもこだわりを持っており、患者さんに寄り添えるかつ悩みにアドバイス出来るナースを育てるため、また知識と技術の向上のため、定期的に様々な勉強会などに参加させています。
溢れる美容情報への警鐘と、患者に寄り添うコミュニケーション
――SNSなどで情報が溢れる時代ですが、こだわりが強すぎる患者様にはどう対応されていますか?
理想が高すぎる場合は、間接的に「難しい」とお伝えします。それでもインターネットの情報を信じて「これをやりたい」と意志が強い方には、一旦それをやってみれば良いとお話しします。そしてダメだったら私のプランでやってくださいと伝えると、実際に無理だった時に納得していただけます。
――SNSの美容情報については、どう思われますか?
SNSなどで様々な美容情報が発信されていますが、医療の観点から見ると必ずしも正確とは言えない情報もあります。美容医療といえど、科学的根拠に基づいて進めるものですので、気になる情報があれば、ぜひ医師に相談していただきたいと思っています。
だから私は、正しい情報の発信のためにYouTubeを始めました。うちに来る前にYouTubeを見てくれる方も多くて助かっています。少しでも医師としての発信が多くの患者様へ届くと良いと思っています。
――これまでの診療で、特に印象に残っているエピソードはありますか?
再診率が高くて、同じ方を長く診ることが多いのですが、色々なクリニックで嫌な思いをしてきた年配の患者様に「最後に出会えてよかった」と泣かれたことがありました。嬉しかったですし、印象的でしたね。
患者様からのご紹介も非常に多くて、ママ友10人くらいが紹介の連鎖で来てくださったこともありました。
私自身の仕事も知り合いのつながりが多くて、患者さん一人一人を含め、常に人との出会いに感謝しています。
――美容外科医として長く生き残るために、必要なものは何だとお考えですか?
新人の先生によく言うのですが、3つあります。1つ目は人並み以上の技術力。2つ目は対人のお仕事なので、ちゃんとコミュニケーションが取れるカウンセリング力。3つ目は、地味すぎると印象に残らないので、カリスマ性です。

超ポジティブな素顔と、論理的な子育て論
――プライベートの時間はどのように過ごされていますか?
休日は、7歳と9歳の子どもと遊ぶ以外は何もしていません。公園で全力でアスレチックをしていますよ。一般的な女医さんが出すようなインスタの「キラキラライフ」みたいなものは全くないんです。
――子育てで大切にされている教育方針はありますか?
私は結構厳しい母親で、「自分で考える力」を重視しています。最初から手を出してしまうとできなくなるので、まずは自分でやらせます。思い通りにいかなくても、頭ごなしに怒るのではなく「なぜこうなったのか」を理論的に考えさせます。私は感情論が好きではなく、ものすごく冷静なんですよ。
これは患者様に対しても同じで、美容は魔法ではないので、運悪く良くない結果になってしまった時に「あの時やらなければ」と言っても時間は戻せません。だから感情論ではなく、「じゃあどうしたら良くなるか」という未来に向けた生産性のあるお話をします。
――ここまで話をしていて、大西先生はとても明るくてポジティブな印象を受けます。
自己肯定感もポジティビティもだいぶ高めです。嫌なことがあっても次の日には忘れて引きずりません。失敗は成功のもとなので、悩むより「次はどうすれば失敗しないか、どうすればもっと良くなるか」という未来への対策を考える方が生産的ですよね。
アメリカに住んでいた時に、小さなミスを許して「次に進もう」というカルチャーに触れたことも影響しているかもしれません。
迷っている方へ「まずは会って、バイブスが合うか確かめて」
――最後に、クリニック選びで迷っている読者へメッセージをお願いします。
どこのクリニックがいいかとよく聞かれますが、一番は「自分に合うかどうか」です。カウンセリングを受けてみて、その先生がいいなと思えるかどうかで決めた方がいいです。何かが合わないと感じたら絶対にやめた方がいいです。
全員に合うドクターなんていませんから、まずは興味があるドクターを検索して、実際に会ってみるのが一番だと思います。だからこそ、私は「カウンセリング」という話をするだけの枠を設けているんです。シンプルに、相性を確かめるために「会ってみるしかない」と思っています。
※本記事の内容はドクター個人の見解・経験に基づくものであり、効果を保証するものではありません。
